上町法印神楽 産屋 前半
本日は昨日までの釣弓の話の続きとなる「産屋」について。
鹽土老翁の城、竜宮で三年を過ごす内に彦火火出見尊と豊玉姫が契を交わし、御子が授かる。
彦火火出見尊を追って来た豊玉姫は尊が用意した産屋で出産することになるが、お産の間は決して中を見ることなきようにと言付ける。
この産屋が神話でいう鵜葺草葺不合(ウガヤフキアエズ)で、この演目名も法印神楽の型本では「鵜葺草葺不合尊出現」となっている。
豊玉姫が橋掛かりから登場し、自身の身の上を述べて一廻りし高舞台の屏風の陰に入る。
彦火火出見尊が前演目での若人面から荒型面に変わり、セメの舞で登場する。
「我妻の安産のため海辺に鵜羽をもって産屋を造り、日合わざるうち来て見ることなかれと契りしが、いかが疑わし、よって産屋を見やばやと存じ候」
と、屏風の内を覗いてビックリ、ワニがのたうち回っている・・・
「装束を改め、始終を見ばやと候」と退場する
高舞台から人形の赤子を抱いた豊玉姫と玉依姫が出てくる。
姫装束が二人舞を行うので舞台が非常に華やかに見えます。
豊玉姫が、彦火火出見尊に正体を見られてしまったため、自分はもうこの国に居ることはできないので御子を玉依姫に託す場面。
法印神楽では稀な情話的な場面である。
豊玉姫の袖を取り引きとめようとする玉依姫を振りきって竜宮へと帰る。観客からは「名演技!」との掛け声も。
そして次の場面ではガラリと様相が一変しますが、それはまた明日。
動画でどうぞ。
