上町法印神楽 釣弓 後半
今日の雨は冷たく寒さに向かっている感じがした。
さて、今日は上町法印神楽の釣弓から後半部分である。
昨日の終わり部分で彦火火出見尊がワダツミの宮に到着すると下女が目ざとく見つけた場面から。
(なお、動画の各所にキャプションで「・・・・の場」と付けたが、これは私が勝手に場面ごとの区切りとして書いたもので、神楽組がそう称しているわけではないことをお断りしておきます)
彦火火出見尊と豊玉姫の出会いの場であるが、彦火火出見尊が名を尋ねると
「自らは海中の神の息女、豊玉姫と申す者にて候、然るに尊は如何にしてここへ天下らせたもうや」と問い返す。
そして彦火火出見尊の袖をひいて龍宮殿へと入る。
と、胴の拍子が変わり、狂言が始まる。
これは「タコ・フグ狂言」とも言われ、夫婦漫才風になる。(他の法印神楽では頭にタコとフグの造り物をかぶっている)
間の狂言ともいわれ彦火火出見尊と豊玉姫の入った龍宮殿を指して「中で何してんだべ」と観客の笑いを誘う。
この形式は山形県鶴岡市で行われる安丹神楽の笑福という演目に似ている。(面相も似ている)
笑福ではひょっとこの面をかぶった「長兵衛」と、おかめの「あねさま」がこっけいな舞をし、夫婦和合の喩えを演ずる、これがひいては稲作の予祝ともなる。
そして、ここ上町法印神楽ではタコ・フグ夫婦が祝の餅まきをするのである。
龍宮殿から出てきた豊玉姫が彦火火出見尊に御胤を宿してございますというと、我が子となすには我が国で子産みをなさねばならぬと言う場面。
彦火火出見尊に2つの宝玉を授けて「嗚呼ら名残惜しやの御君や」と嘆きながら別れる。
国に帰ってきた彦火火出見尊は鹽土老翁から授かった針を付けた釣竿を火遠理命に投げ返した。
これに怒った火遠理命は「投げ返すとは無礼至極、無礼千万」と剣を抜いて戦いになる。
彦火火出見尊は豊玉姫から授かった宝玉を使って火遠理命を退散させる。
と、釣弓の演目はここで終わりになりますが、この後彦火火出見尊を追って来た豊玉姫が子を産む物語が次の演目「産屋」で演じられますが、それはまた明日ということに。
To Be Continued
動画でどうぞ。
