上町法印神楽 湯立神事
今日は土曜日であるが仕事であった。明日もである。故にどこへも追っかけにはいきません。
さて、今日は上町法印神楽の昼神楽が終わって、中入り後に夜神楽が始まる前に行われる湯立神事について書く。
湯立てといえばはるか北の宮古地方では巫覡が神社の祭事で神楽に先立って託宣神事を行う。
そこでは湯立てに際して巫女舞中に神憑りになり、作柄や漁の豊凶や月々の天候などを託宣するという。
神田より子氏「神子舞と湯立託宣の実際」参照
もともと法印神楽でも湯立ては必ず催行されたもので、本田本(陸前浜の法印神楽)でも湯立神楽の項の頭注に「仙台叢書の中の記録にも一二、今はなくった神楽の湯立てについて見えており、本吉、登米、桃生の法印神楽においてももとは度々おこなったものらしい」
と記述している。
現在でも、宮城県内では9月1日に古川の鹿嶋神社御湯花神事、旧暦の9月18日に三本木町の若宮八幡神社が有名である。
神楽舞台に神楽衆が整列し神職の神事の最中に別火をマイギリ式の道具で火おこしをする。
その火を取り上げると湯釜の焚口まで運んで種火にする。
湯は予め焚き火で沸かしてあるが、ここは儀式としての湯立てなので、別火で再度火を焚く。
本田本には、「この火を焚く者は、もとは必ず両親が揃った者で、三日間の精進をさせて行わせたという。(今は清祓一つにて済ます)この火は庭火とも称し、舞台の篝火にもなった。・・・」
その後、祝詞を終えた神職が湯釜に立ち、両手に笹をもって湯に浸し、神楽舞台と観客に向かって湯花を掛ける。
除災と福を授かる儀式である。
動画でどうぞ。
