本吉太々法印神楽 西の宮(蛭児)
本日は陸前高田市の月山神社例祭の宵宮で奉納された本吉太々法印神楽の西の宮(蛭児)について
この演目は法印神楽では釣弓という豊玉姫について物語られたもののうちの一つ。
釣弓三曲とは蛭児、釣弓、鵜葺草葺不合命出現を言い、伊弉諾伊弉冊の第三子である蛭子の神から海幸山幸そして天孫邇邇藝命へとつながる神話を語っている。
黒森神楽でも同じだが、漁を生業とする浜では必ずこの演目が上演されることになっている。
途中の言い立てに
~西の宮の由来と言うは、二神三郎蛭児の神児とて、三歳までは足立たず、故に磐樟舟に乗せられて海原へと流されたり、父母は如何に哀しと思うらん、三歳になれと足立たずして憐れみの深き千尋の海原に、譲り得んとや今ぞ知るべき・・・
と歌われる。
山伏神楽では三番叟で物語られる内容で、山伏神楽では布に片足をかけて飛び跳ねる所作があるが、それと同じく足の障りの表現として釣り糸に片足をかけて足を引きずる所作が入る。
ことに、この法印神楽での特徴は蛭子が釣り上げる「切紙(キリコ)」である。
浜の法印では沢山の切り紙が伝承されていて、正月には氏子が神社から種々の切り紙を買い求めて神棚に飾るという風習がある。
これはその一つと言え、鯛を象った切り紙に観客がご祝儀の紙幣を結びつけて蛭子に釣り上げてもらうことで大漁祈願をするというものである。
この鯛の切り紙は舞が終わった後で観客が一枚ずつもらって帰り神棚に飾るということだ。
私も御花をあげた代わりに一枚いただいた。
途中で台風による大粒の雨が降って来ましたが、最後まで熱演でした。
動画でどうぞ。
