2012.09.30 | Comments(0) | Trackback(0) | カテゴリシシ踊り

上亰鹿子踊り 大槌稲荷神社 宵宮 

本日は仲秋の名月でしたが台風の襲来で月は見えず。

で、、今日は大槌町の安渡祭り宵宮リポートの最終回として上亰鹿子踊りの奉納をお送りします。

この上亰鹿子踊りの伝承地域は大槌川流域の大ヶ口にある集落で、大槌町内の他の鹿踊のと同様の系統ということ。

由来については「大槌町の郷土芸能」」より

町内上亰地区に伝わる上亰鹿子踊りは、江戸時代元禄年間に伝えられたとされています。正確な記録がないため定かではないが、およそ300年前である。
さらに町内の他の地域に伝えられているいくつかの鹿子踊りが同系の踊りであり、年代も元禄の頃とされていることから、その時代に大槌地方に伝えられたものと考えられる。
釜石市栗林町の沢田地区にやはり300年程前、房州生まれの唯喜伝治という人がわらじをぬぎ若者衆に鹿子踊りを教えたと伝えられているが、鹿子踊りを別名、房州踊りともいうことから栗林町を中心に唯喜伝治氏により周辺の地域に伝えられたものと考えられその一つが上亰鹿子踊りである。

踊りの中で使われる唄の中に「武蔵野に月の入りベく…」とか「鹿島御浜の郡々すすき…」など関東地方の地名が出てくることからも、房州(現千葉県)方面より海を伝って来たのではないだろうか。
また鹿子踊りは仏の弔をすることから、もともと地域に伝えられていた念仏踊りと房州踊りが融合したものとも伝えられています。
現在に至る300年間には隆盛の頃もまた衰微の頃もあつた様ですが、先人や地域の人々の保存への熱意のおかげで絶えることなく現在に伝えられ、大槌稲荷神社、小鎚神社の例大祭の他、敬老会や運動会などの地域の行事などの時も踊られるようになつています。





由来譚として房州踊りを伝えているが、房州地方の鹿踊りは羯鼓太鼓を腹に抱えた三匹獅子である。
従って頭こそ同様のイノシシであるが踊りや囃子は旧南部領一帯の独特のものである。

DSC06166.jpg

ちょっと気づいたことであるが、囃子方が着用している紋付の家紋が「波に兎」である。
上亰の方に聞いたら、これは近年に創作したものであるとのこと。
創作ではあるが、「波に兎」の草案根拠は掛け唄の歌詞からきているとのこと。
「明山(暁山・焼山)の兎は何見て跳ねる 十五夜御月見ては跳ねさる」
という内容のものがある。

※参考として上亰鹿子踊りの小松さんから掛け唄の歌詞を写させて頂いたものを最後の方に掲載しておきますのでご参照ください。


DSC06441.jpg

動画でどうぞ。




「上亰鹿子踊り 鹿踊の唄」

鹿踊の唄
一、寺または仏の回向をする際の唄
御門誉
・参りきてこの御門を見申せや 御柱に杉の叢立ち
橋誉
・参りきてこの御橋を見申せや 極楽浄土の珠の橋
・いかに先祖はありがたや 香や蓮華に呼び出されたか
・西方は西にありとは申せども  釈迦の浄土は北にこそあれ
・北は釈迦 西は阿弥陀の浄土なり 弥陀の光で浮かべ御仏
・身は此処に 心は信濃の善光寺 導き給え弥陀の浄土へ
・線香の煙はありがたや 天に登りて叢雲となる
・南無阿弥陀仏の霊香あげ 六字土産に帰れ御仏

二、神社または神前での唄
御門誉
・参りきてこのご門を見申せや 黄金柱に金の貫かな
御旗誉
・参りきてこれの御旗を見申せや 黄金御旗が吹流しかな
鳥居誉
・参りきてこれの鳥居を見申せや 黄金柱に金の貫かな
御坂誉
・参りきてこれの御坂を見申せや 御坂七里は黄金なるもの
神のレイコウ
・参りきてこれの鰐口打ち鳴らし 西方の小山に響く鰐口
・かしましはくまんばやしのくつわ鳥 鳴りを静めて唄の理を聞け
・この頃は参る参ると思えども 橋は引く橋 飛ぶに飛ばれぬ
・下向にはへらと杓子を賜りて 捧げ参りて国の土産に

三、その他の誉め唄
浜登誉め
・参りきてこれの浜登を見申せや 繋ぎ揃えた船が千艘
・千艘の船を見るなり面白き さても見事な綱のからくり
・面白きせみに黄金を葺くごとく 人夫良ければ浜が大漁
御庭誉
・参りきてこれのお庭を見申せや 四方四角で枡形の庭
・桝形の庭の飾りを見申せや 黄金小草が足にからまる
・黄金小草を毛解して この御庭で遊べ共達
御座敷誉
・参りきてこれのお座敷見申せや 黄金御花が咲き乱れかな
・黄金御花が咲き乱れ これの座敷で遊べ共達
・参りきてこれの畳を見申せや 宝来畳に錦綾べり
家誉
・参りきてこれの屋形を見申せや 黄金柱に金の貫かな
居宅誉
・参りきてこれの居宅を見申せや 変わらぬものには松と竹なり
宿、門付けのもてなしに対し御礼の唄
・このお酒はいかなるお酒と思し召す これもご亭主の泉福酒
・この肴 いかなる肴と思し召す 鯛やざっこやがんのはらまき
・寒中に笹に降ったるこうの雪 せいを揃えて消せや共達
・なんと御酌や引き出物 我らがさしたる島田脇差
立ち唄
・昔より唄の仁義はあると聞く 一礼しまして立てや共達
・鹿子こしの 竹やまし竹 節を揃えて霧を細かに
婚礼
・参りきてこれの上座を見申せや 金色衣装の夫婦輝く
敬老
・参りきてこれのお座敷(高砂)見申せや 鶴と亀との長寿輝く

四、小切り
小切り唄
・一つ跳ねるはきりぎりす 続いて跳ねる綾の機織り 綾の機織り
・鹿島御浜の叢々すすき 葉先を揃え霧をこまかに(もどせや)霧をこまかに
・明山(暁山・焼山)の兎は何見て跳ねる 十五夜御月見ては跳ねさる
・黒雲はただ(はだ)おりかけてくる時は 天の光かなわざるもの かなわざるもの
・あねこ達 踊りこ見たいから板戸を閉めて 板戸の拍子 ささら三拍子 ささら三拍子
・鹿の子は生まれて落ちると踊り出る それを見真似て踊れ共達 踊れ共達
・かめごしは数より聞けや面白い 都ではやる金のこん拍子 金のこん拍子
・七つ拍子に八つ八ツ拍子 九つ九拍子 十で十拍子 十で十拍子
・奥山のてらてら雌鹿子にあやさるる 遊び帰る富士の花山 富士の花山
・つばくろは親に不幸な鳥なれや 稲穂を枕に土を餌食に土を餌食に
・天竺に梅と桜が咲き乱れ それを見る間に 霧を戻せや 霧を戻せや
・鹿子こしの竹やまし竹 まだまだ若竹 節はそろわぬ 節はそろわぬ
・春駒を庭の桜に繋ぎ止め 駒が諌めや花も散り去る 花も散り去る
・駒が蓬に束ね入れ 駒も蓬も見てもわからぬ 見てもわからぬ
・会津若松越えかねて 爪を揃えて あやの駒から あやの駒から

五、役鹿子
ねり(大切り)
・廻れまわれと水車 細く廻れ 堰に止まるな堰に止まるな
雌鹿子狂い
前唄
・中立ちに腰にさしたるしだれ柳 枝折り揃えて腰を休める 腰を休める
本唄
・天竺の愛染川原の花にこそ ちぐさ娘神は立たれた 神は立たれた
・誠づくしの神ならば 雌鹿子 雄鹿子結び合わせる 結び合わせる
・思わん方から霞が降りて ここで雌鹿子 隠し取られる 隠し取られる
・なんと雌鹿子が隠れても 叢々すすき 分けて尋ねる 分けて尋ねる
・風が霞を吹き払い ここで雌鹿子 会うぞ嬉しき 会うぞ嬉しき
・雌鹿子雄鹿子のふり唄に 見れや心が若くなるもの 若くなるもの
・白鷺は 跡を惜しんで立ちかねる 跡を惜しまず 立てや白鷺 立てや白鷺
柱懸り
前唄
・昔より草の種とて蒔かぬとも 裏でもてるは笹子なるもの 笹子なるもの
本唄
・天竺の普賢文殊の森の鹿子 柱懸り心面白い 心面白い
・かの鹿子はここに臥すかここは庭 山に臥さば 岩の狭間に 岩の狭間に
・この庭に匂い柱の立つときは 角を磨けや 若くなるもの 若くなるもの
・松島の 松に絡まる蔦のつる 御縁で無けれや そろり解かれぬ そろり解かれぬ
・白鷺は 跡を惜しんで立ちかねる 跡を惜しまず 立てや白鷺 立てや白鷺
柱抜き唄
・豆々とささぎ植えたる小豆畑 植えた御仁は冥加なるもの 冥加なるもの

六、引端
大引端
前唄
・武蔵野に月も入りべき山もない そろりそろりと引けや共達 引けや共達
・日も暮れし 寝ての寝しまに露見れや いやいや共達 花の都さ 花の都さ
後唄
・空晴れて神も静まる世の中に 心静かに腰を休めろ腰を休めろ
片引端
・共達の左袂に糸付けて そろりそろりと引けや共達 引けや共達
・雨が降るやら曇るやら そろりそろりと引けや共達 引けや共達

 以上





テーマ:伝統芸能 - ジャンル:学問・文化・芸術

2012.09.30 |

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祭・・・それは祈り、畏れ、そして縋り付くばかりの信仰、神人共生の歓びの象徴。さて、明日のエネルギーの糧を求めに彷徨おう。

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