吉浜五年祭 今年は中止
昨日、大船渡市三陸町吉浜の知人宅を訪問した。
先週の岩手日報紙上に3.11大震災での地域住民の証言をまとめた本を自費出版したと掲載されたことから10数年ぶりに会うことにした次第である。
この知人は現在吉浜地区の公民館長をしていることから40数名の地区民を説得して可能な限り津波の記憶を後世に語り継ぐため出版にこぎつけたということだ。
編者の巻頭言にあるように、この吉浜地区自体は行方不明者一名のみの犠牲と漁業施設や船舶、低地の田畑が被災したほかは甚大な被害を受けた他の地区に比較すると少なくすんだようである。
その要因はニューヨークでのジャパン・タイムズ紙に「ミラクルビレッジ(奇跡の集落)」と紹介されたとおりである。
そのミラクルを生んだ秘密は「過去の経験を伝えること」だったという。
下の石碑は吉浜鎮守の新山神社が昭和8年3月3日の大津波で被災したことを「薄らいでいく津波の教訓を後世に引き継ぐべく昭和三陸大津波追憶の碑を此処に建立す」と碑文に記されている。
つまり、吉浜の人々は過去の先祖の教訓を固く守り、浸水域に二度と住宅を建てなかったことが今回の奇跡に結びついたということだ。
そして、この新山神社を中心とした吉浜五年祭が今年行わる式年にあたっていたが、総代会で中止と決定したそうである。
そこで明日以降、この吉浜五年祭の様子を取り上げてみたい。
ちなみのこの記録集「その時私は・・・」は1冊1,000円で頒布している。
問い合わせは吉浜公民館 0192-45-2001へ。(この祭りの追っかけブログへコメントで申し込んでも可です)
