岩手県南宮城県北神楽大会 その5
今日から連休後半だというのに台風並みの雨風で、沢山のお祭りが予定されていたであろうが、中止になったり、ビニール被ったり、傘被ったり(この表現、岩手県内でも「傘をさす」と「傘をかぶる」と言い方が異なる。伊達南部の違いか?)
大変だったろうと思う。
さて、今日は岩手県南宮城県北神楽大会より昨年度の優勝チームということで、審査集計中のアトラクションとして蓬田神楽さんが上演。
宝剣納めである。
蓬田神楽さんの由来について南部神楽の系譜より
「舞草神社は一時期舞草穴倉地内に社地があった頃、神職が大権院神楽を奉納していた。
当時の神楽の師匠は、穴の倉の佐藤円吉、次いで蓬田大助であった。
明治初期、蓬田一族の氏神天神様に神楽を奉納するため、蓬田大助が庭元となり、東磐井郡長島村南部神楽の流れをくむ赤伏神楽の指導を受け、蓬田神楽を創設した。
初代庭元蓬田大助、二代伊藤寅之助、三代蓬田清吉、四代佐藤松治、五代蓬田稔である。」
あらすじはパンフレットより
「神代の時代、乱暴者の神、素戔嗚尊は天上界を追われて出雲ノ国に降り立ち、老夫婦と娘を助けるために八岐の大蛇を退治した。その際、大蛇の尾の先から一本の剣を取り出し、「天叢雲」と名づけ熱田の宮に奉納する。
これを知った岩長姫は、この奉納された宝剣を何とかして手に入れようと企て、鬼女に変化して一旦は手にする。それを見ていた日本武尊はそれを許すまいと争い、その鬼女を退治して宝剣を取り返し、元の姿に戻すのでした。」
とある。
まあ、それはさておき蓬田神楽でいつも感心させられるのは装束が端然としていることと、自ら彫っているという面の拵えの見事さである。
素戔嗚尊の宝剣納めの場面
磐長姫に化身した鬼女が宝剣を窺う。
この場面の山の葉舞は蓬田神楽の得意とするところではないか。
鉾と扇をうまく使い華やかな舞に仕立てあげている。
宝剣の前で面を変える演出によって鬼女が変化する様を観衆は即座に理解する
緊迫した局面といえる
逡巡の後に鬼女は遂に宝剣を奪う。
鬼女の長ザイから二本の髪が前に垂れていてそれをうまく操ることで凄みを出している。
他の神楽団体でも同様だがここが宝剣奪い返しの山場のような気がするのでじっくりとオドロオドロしくやってほしい。。。
日本武尊との荒事のあとで宝剣草薙の剣は熱田神宮に無事奉納されるわけだが、ここでの主役は磐長姫化けたる鬼女であるように思う・・・といつも思っています。インパクト強いからな~。
動画でどうぞ。
