黒石寺蘇民祭に寄せて 3
さすがに大寒である。
今朝はマイナス12度で、ウォーキングの足元の雪もキュッキュッと引き締まった音をたてていた。
さて、黒石寺の蘇民祭。
火焚登であるが、角燈と式棒を持った世話役がユーの掛け声で周囲を払い進む。
男たちがこれに続き柴燈木に火がついたのを合図に柴燈木に登って火に焼かれながら山内節を唄う。(が、最近は歌えるものが少なくなり、下の方から「うだえ!きけねぞ!」とヤジが飛ぶ)
山内節の歌詞は
ハァー 揃た揃たよ 皆様揃た 秋の出穂よりなおよく揃た ジョヤサ ジョヤサ
ハァー 場所だ場所だよ 山内場所だ 上は妙見 その下薬師 ジョヤサ ジョヤサ
ハァー 場所だ場所だよ 山内場所だ 奥は大師のありゃ座禅石 ジョヤサ ジョヤサ
ハァー 一度ござれや 山内薬師 五穀豊穣の ありゃ守り神 ジョヤサ ジョヤサ
ハァー 柴燈木登りゃ 別当登り 鬼子登りで ありゃ 夜が明ける ジョヤサ ジョヤサ
いわゆる甚句である。胆江地方には同じ節の歌(餅つきなどの作業唄が多いが)が多くある。
祭りの歌と言うより黒石周辺で日常生活で好んで歌われていたのではなかろうか。
柴燈木が赤赤と燃え上がると、火の付いた木を取り出して本堂に振り込み、穢れを祓う。
この後、別当登り鬼子登りと続いていく。
蘇民袋争奪まで精進小屋で休む者もあり。
柳田國男が「籠もるということが祭りの本質であった」と書いたが、筵に囲まれて暖かい火が焚かれた小屋こそが胎蔵界であるような気がしてくる。
以上の画像は2003年撮影のもの。
