正月の船霊様
正月11日に船霊様を祀る風習があるという。
船霊(ふなだま)とは海の民が航海の安全を願う神。船玉とも表記する。また、地方により、フナダマサン、フナダンサン、オフナサマなど、様々な異名がある。
つまり、江戸期の廻船航路に沿って信仰が伝播したらしいが、船の安全航海と大漁を祈願する守護装置として船に装着することが発案されたらしい。
で、船に装着する護符としてのモノは
神体として女の毛髪(三歳児まで)、男女の人形、銭十二銭、サイコロ二つ。サイコロの面は「天1地6、表3あわせ艫4あわせ、中に(2)どっさり(5)」になるように据えたという。
板子一枚下は地獄と称される船乗りにとって、自らの力の及ばざる所に神仏の加護を祈念する気持ちは古代も現代も同じと思う。
そんな船霊様であるが、漁師さんたちにとってはどれほどの精神的価値があったのかということが次の記事で痛感される。
”おふなたさま”は長女 無傷で残った定置網船【岩手・花巻発】
