北下幅神楽 五大領
さて、今日は昨日の花巻の郷土芸能フェスを書こうと思いましたが、大森神楽の胴取殿よりメールをいただいたので、変更して「南部神楽と笛」について。
といっても私は笛吹ではないので詳しいことはわかりません。(簡単なこともわかりませんが)
祭りと芸能の追っかけをやるようになってこのかたは、神楽に関しては主に早池峰系というか旧南部領の早池峰流派や黒森・鵜鳥、県北の神代神楽に和賀の大乗神楽と見ていたために、常に三拍子が揃っているものと思っていました。
一方で南部神楽を見るようになり、こっちは太鼓と鉦と「神楽歌」で三拍子であるような固定観念がありましたから、ある団体で笛がついたものを見た時はちょっとショックでした。
なぜかというと、笛と歌の調子が合わないから・・・いや、合わないというのではなく、それぞれはすばらしいのだが、バッティングしているのだ。と思いました。
南部神楽の場合、最近は胴取にもマイク、笛にもマイクだったりするので、音響係がよほどうまく調整しないとバランスが取れないのである。(さらに舞い手のコワもマイク)
そういう訳で、神楽師さんたちの努力とは無関係に三拍子の印象が??になっていました。(あくまで私個人の受け取り方だと思いますが)
そんな中で、あれっと思ったのが、今年の5月3日に駒形神社例祭に奉納された北下幅神楽でした。
ここの組は、以前から笛がついているのですが、現在笛を担当しているのは日高囃笛の会の小野良宝会長さんです。(火防祭りでは横町組の屋台に登壇します)
だからと言うわけではないのですが、寄せ太鼓で笛がかかると神楽全体がなんとなく格調高く感じるのは私だけかと。
それと、よく聞いているとここの笛は終始吹かれているわけでもなく、要所要所にヒャラリコヒャラリ~と入り、胴取の歌にあまりかぶさらないのが聴きやすくしているのかと。
ところが、やはり随所で笛と歌がバチバチとぶつかることがあるんですね。
という訳で、五大領です。五大龍とも所望分ともいう演目です。
幕揚げ歌は「五大領大神の使者を呼ぶべし、五大領大神の使者を呼ぶべし」
最初に天之八百万魂姫が「山の葉」で幕出しです。
胴取の歌に「せんやはあ、とりらとりらよ とりらとりらよ やあは面白やあはあ」と掛かります。
春夏秋冬と土用の日数を神様が争う話です。
五人で話しあうも折り合いがつかず
「おう然るにおいては是非もなし、身の装束を改め真剣の勝負に及び勝ちたる者司るべし、先ずは装束を改め申さんやのう」
と、激しくジャンプしながらの太刀舞になります。
ダイジェスト動画でどうぞ。
