2023.12.10
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カテゴリ祭り
さて本日は、2023年11月19日に行なわれた第18回奥州市郷土芸能の祭典から前沢厄年連で25歳緋桜蘭・42歳戌亥暒風会です。
厄年連とは胆江地方(奥州市)独特の厄祓いを目的として同年齢の若者が祭りに参加する風習です。
男の厄年である25歳と42歳に同級生が集い、その年の水沢(日高火防祭、羽田火防祭)、江刺(甚句祭り)、胆沢(全日本農はだてのつどい)、前沢(前沢春祭り)、衣川(奥州ころもがわ祭)にニワカ踊り等を出して祭りを盛り上げるものです。
この厄年連のニワカ踊りも、近年ではよさこいソーランに似た歌や踊りが主流となっているため、単に祭りに華を添えるためのものかと思われがちですがさに非ず。
私自身も25歳の年祝いの際には、同級生たちと踊りで祭りに参加し、祭りの前夜には皆で町中の会館で酒を飲みながら一晩を共にした。これは一種の夜籠りをする若衆宿である。
また、江刺の甚句祭りにおける厄年連は、本厄にあたる25歳、42歳の前年から先輩厄年連から受け継いだ伝統を継承し、祭りの下回り役をこなして翌年には祭りの本舞台に華を咲かせる。
これは年齢階梯の祭り継承に他ならない。
水沢の日高火防祭のニワカも、昭和初頭の映像記録によると四十七士の歌舞伎の装束を纏って練り歩いたり、鹿踊や神楽の衣装で演じた風景も見て取れる。
今まで風流にも属しないと思われていた厄年連のニワカだが、今となっては再認識すべきではなかろうか。
ということで、令和5年奥州前沢 25歳厄年連 『緋桜蘭 (ひおうらん)』 です。
自己紹介から
「私たちは、『BEST ~Believe Enjoy Smile Teamwork〜』 というテーマのもと 会員一同総力をあげて活動しております。 約1年という短い準備期間でしたが、 会員それぞれが力を発揮し4年ぶりに開催した奥州前沢春まつりでは大成功を 納めることができました。先輩方が築き上げてきた伝統や故郷へのおもいを繋ぎ、 私たち個人が持つ自 分自身の能力・個性に花をさかせ 奥州市、 そして、 前沢をより良いものにしていき たいと思います。
私たちの楽曲である 『縁~えにし〜』 は江刺の7prizm music さんに作成していただ きました。 かっこよくも美しい楽曲と、 2丁扇子を使用した華やかな振り付けや、 力強 い振付にぜひ! ご注目ください!!」

42歳厄年連戌亥惺風会
「私たち戌亥惺風会(いぬいせいふうかい)は平成10年3月に前沢中学校を卒 業した同級生で結成しました。
令和2年に活動を開始してからというもの、新型コロナウイルスが蔓延し思うよう に活動出来ない期間がほとんどでした。 それでも耐えに耐え、今年4月に4年ぶ りに開催した奥州前沢春まつりでその熱い思いを爆発させて演舞させて頂きまし た。
今年は春まつりの他にも、沢山の会場で演舞させて頂き、 同級生のみんな、水沢 や江刺の厄年連・年祝連のみんな、そして、 見に来て頂いたお客様と数えきれない くらいの沢山の笑顔に会うことが出来ました。
私たちの演舞する期間は 12月までと残り少なくなってまいりましたが、 本日も 今持てる力を存分に発揮し、 皆様に最高の演舞を届けたいと思います。
故郷前沢にはそれぞれの思い入れや思い出、そして「仲間」 「友人」 と紡いでき た絆があります。 これから先も一期一会の巡り会い、 人と人とのご縁を大切に結び繋 いでいきたい。 という想いを込めて作りました。」

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テーマ:伝統芸能 - ジャンル:学問・文化・芸術
2023.12.10 |
2023.11.15
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カテゴリ祭り
さて本日からは、2023年11月5日に胆沢文化創造センターにて行なわれた第57回胆沢郷土芸能まつりのリポートとなります。
最初は前谷地神楽で御神楽と三番叟です。
その前に前谷地神楽の由来について
「前谷地神楽は、式舞は山伏神楽で神舞、狂言舞は明治初年西磐井郡猪岡村字深立目、佐々木栄治より笹谷流の舞を伝授されたと言われている。
前谷地神楽の本元は胆沢郡小山の十文字神楽(この神楽は寛政年間から舞われたという)で、当時十文字神楽の舞人であった米倉軍治、純治親子が中心になって、明治十六年前谷地神楽を組織した。
明治二十年米倉純治が山目村赤荻の笹谷神楽に赴き、舞の指導を受け前谷地神楽を充実し、現在も古来の舞を継承している。
しかし笹谷神楽は古い神楽舞の舞型をきらい、三輪流神楽系の流れとなり、現在では笹谷流の古来の舞は見られない。
初代庭元米倉軍治、二代寺島幸之助、三代吉田養吉、四代高橋、五代佐々木平十郎、六代安倍伊三郎、七代菊地民之助、
佐々木重行、九代~十一代安倍五四郎、現在の庭元菊地民治郎は十二代である。
なお前谷地神楽の笹谷流神楽舞を胆沢郡金ヶ崎の三ヶ尻神楽、胆沢郡前沢町古城の折居神楽、胆沢町小山の柴山神楽、笹森神楽に伝授した。
昭和四二年二月胆沢町民俗無形文化財に指定された。」
とあります。現在の保存会会長は高橋政美さんです。

前谷地神楽では、後継者育成のため平成5年ごろより地元の若柳小学校の子どもたちに御神楽を指導してきた。
平成27年からは神楽クラブが結成され、5・6年生が練習に取り組み、山の神舞、三番叟なども伝承させてきた。
御神楽は若柳小学校神楽クラブの5年生と6年生が舞います。

次に三番叟ですが、こちらは社会人と高校生の姉妹による舞です。
様々な芸能発表の場が無くなっている中で芸能伝承のモチベーションを維持するのは本当に大変なことと思います。
殊に子どもたちにとっては、発表の場が目標そのものであり、また一生懸命取り組んできたことの成就感を得る唯一の場でもあります。
この日は、他の団体でも子どもたちが活躍していました、頼もしい。

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2023.11.15 |
2023.10.13
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カテゴリ祭り
さて本日は、2023年10月8日に行なわれた稲荷神社例大祭から湯立神事です。
夜神楽が始まる前に、稲荷神社宮司により湯立が斎行されました。
もともと法印神楽でも湯立ては必ず催行されたもので、本田安次著「陸前浜の法印神楽」でも湯立神楽の項の頭注に「仙台叢書の中の記録にも一二、今はなくった神楽の湯立てについて見えており、本吉、登米、桃生の法印神楽においてももとは度々おこなったものらしい」と記述している。
現在でも、宮城県内では9月1日に古川の鹿嶋神社御湯花神事、旧暦の9月18日に三本木町の若宮八幡神社が有名である。

上町法印神楽での湯立は神職による神事に始まる。神楽師一同が揃う中で神職が祝詞奏上し神招をする。

湯釜の火は、古式に則り鑽火神事として木と木をすり合わせる舞錐式発火法で、火を鑽り出す。

その火を取り上げると湯釜の焚口まで運んで種火にする。
湯は予め焚き火で沸かしてあるが、ここは儀式としての湯立てなので、別火で再度火を焚く。
本田本には、「この火を焚く者は、もとは必ず両親が揃った者で、三日間の精進をさせて行わせたという。(今は清祓一つにて済ます)この火は庭火とも称し、舞台の篝火にもなった。・・・」
神職が湯釜の湯を両手に持った笹で掻き回し、笹に清浄な湯を纏わせる。

最初に神楽舞台に向かって湯花をかける。

次に観客に向かって湯花を掛ける。除災と福を授かる儀式である。
法印神楽の演目にも「湯の父」というものがあるが、今日では神楽の演目として上演しているのは少ないという。

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2023.10.13 |
2023.10.08
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カテゴリ祭り
さて本日は、2023年10月8日に行なわれた稲荷神社例大祭から上町法印神楽で御神楽・打ち鳴らしです。
例年大豆の実が成り、豆殻ができる頃の祭りということで「まめからさん祭り」と称して親しまれている登米市豊里町鎮座の稲荷神社例大祭に行ってまいりました。
この祭りには神社付属神楽の上町法印神楽が奉納するのが常でしたが、台風やコロナ禍により5年間ほど神楽舞台を設えての上演が中止されていました。
それだけに、今回は待ちに待ったまめからさん祭りとなりました。

午前11時ごろから神事が始まり、神事の中で上町法印神楽による御神楽がありました。
姫舞装束の舞手が鈴御神楽を軽やかに厳粛に舞います。

社殿での神事が終わると境内に設えた神楽舞台において神楽の場を祓い清め、神を招く打ち鳴らしが始まります。
舞台前方の机の上には、神楽の帯、面、扇、鉾などが供えられ、神楽座中一同が整列する中で笛胴の奏楽で打ち鳴らしとなります。これが済んでから神楽演目の上演となります。

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2023.10.08 |
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