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2023.12.01 | Comments(0) | Trackback(0) | カテゴリ神楽

早池峰岳系羽山神楽「四人鶏舞」@2023花巻市青少年郷土芸能フェスティバル

さて本日は、2023年11月18日に行なわれた花巻市青少年郷土芸能フェスティバルから早池峰岳系羽山神楽で四人鶏舞です。

羽山神楽の由来について

「度重なる火災により伝承記録は失われたが、その芸態から早池峰岳神楽の流れを汲むもので勇壮華麗な舞を特徴とする。神楽の由来を伝えるものとして江戸時代後期に書かれたと見える詞章本があり、また小田島宮司家(専蔵院)には文政3年の年記をもつ獅子頭に加えて隠居権現様と称され年代不詳ながらより古い様式をとどめる獅子頭が祀られている。」
ということですが、本田安次著「山伏神楽・番楽」の岳流諸派の章に「羽山神社付属神楽」として次の記述がある。

「所伝は岳と同様であるが、別当小田島快道氏の談によると、昔秋田の六郷出羽守の頃、早池峰のと同時に秋田の方から当地に渡ったとの口碑があり昔はひとしきり岳と一緒になって舞ったらしいという。やはり天台の六部が始めたものと伝えている」とあるので、あるいは室町時代の発祥といえるかもしれない。

この日の胴取は高橋滉太さんでした..



ところで、羽山神楽は花巻市湯本に鎮座する羽山神社の附属神楽とされていますが、この神社は大同二年に坂上田村麻呂が開基したとあり、羽黒山修験専蔵院の所管により、かっては蘇民祭も執り行われていたという。

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また、動画を見ていただければわかりますが、岳系というものの鶏舞の手次足次に多少の違いがあります。
太鼓の拍子が異なることと同様に、伝承された時点での神楽の形態を残しているということかもしれません。

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動画でどうぞ

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2023.12.01 |

2023.11.30 | Comments(0) | Trackback(0) | カテゴリ神楽

小瀬川神楽「鳥舞」@2023花巻市青少年郷土芸能フェスティバル

さて本日は、2023年11月18日に行なわれた花巻市青少年郷土芸能フェスティバルから小瀬川神楽で鳥舞です。

小瀬川神楽の由来について

「小瀬川神楽は、花巻市湯口地区に伝わる円万寺神楽から伝授を受け、大正7年2月19日に舞初めを行ったとの記述があります。師匠の円万寺神楽は、花巻市膝立観音山地区に伝承されている山伏神楽で、もと同地にあった「円万寺」に付属したものといわれている。その独特の舞振りから円万寺系と分類され、市内でも円万寺神楽、小瀬川神楽、上根子神楽の3団体のみで伝承されている。
円万寺系では、権現様が捧げ物を一端飲み込んでから吐き出すという所作を行うが、これは岩手県北部から青森県南部にかけて広まっている神楽と似ている。
代々設立当時の円万寺神楽から伝授されたとおり、原型を崩すことなく継承しており、平成11年(1999年)に花巻市の無形民俗文化財の指定を受けて現在に至っている。」

ということのようです。現代表は及川敏さんです。



円万寺系神楽とは、花巻市西部の旧円満寺を中心とした地域に点在する神楽で、早池峰系とも異にする山伏神楽です。
現在も活動している3団体、円万寺神楽、小瀬川神楽、上根子神楽で、岳神楽でもなく大償神楽でもなく和賀の大乗神楽でもない独特のマチエールを持った神楽は注目すべき点が多々あります。

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さて、鶏舞です。
円万寺系神楽では、扇と錫杖を採って舞います。
円万寺系神楽の鶏舞は、秋田番楽の鶏舞と近似値の所作が入っています。
これを本田安次は田子神楽の筋を引くという所見を示していました。
私としては、花巻から青森に行くより山一つ越えた横手地方の番楽が濃い影響を受けた感じがあります。

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2023.11.30 |

2023.11.29 | Comments(0) | Trackback(0) | カテゴリ神楽

市川神楽「権現舞・盆舞・翁舞」@2023花巻市青少年郷土芸能フェスティバル

さて本日は、2023年11月18日に行なわれた花巻市青少年郷土芸能フェスティバルから招待団体の市川神楽で権現舞・盆舞・翁舞です。

市川神楽の由来について当日パンフレットより

「市川神楽は、八戸市市川町の主に浜市川地区で伝承されてき た民俗芸能です。 毎年夏になると市川の白髭神社で行われる祭典や、元旦に神楽を奉納しています。 今年度は祭りに加え、八戸の鮫神楽・白銀神楽と協力して朝市神楽に出演しました。
今回は権現様のお供として、若き盆舞を従え皆々様にお目通りしたく遠路八戸より翁が馳せ参じました。 3演目とも花巻の方には馴染み深いものと思いますが、拍子や振りの違いを楽しんでいただけたら光 栄です。 どうぞ宜しくお願い致します。」ということです。旧南部領の九戸神楽(江刺家手)の系統になります。



権現舞

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盆舞

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翁舞

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2023.11.29 |

2023.11.28 | Comments(0) | Trackback(0) | カテゴリ神楽

下似内神楽「三番叟」@2023花巻市青少年郷土芸能フェスティバル

さて本日からは、2023年11月18日に花巻市文化会館にて行なわれた花巻市青少年郷土芸能フェスティバル2023のリポートとなり、本日は下似内神楽で三番叟です。

下似内神楽は、岳系統で胡四王神楽の弟子神楽ということになっております。
昭和24年から式舞を中心に指導を受けて、以来伝承を続けているということです。

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「三番叟」は、蛭子命(ひるこのみこと)が世の喜怒哀楽、艱難辛苦の様を舞ったもので、 「五穀豊穣」「子孫繁栄」の祈りが込められていると言われています。
舞手は小学生です。

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もともと三番叟は、人形振りのようなテンポの早い舞なので、小さな子どもたちが踊るとても愛らしく見えます。
場内からは沢山の拍手と声援が送られます

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このまま先輩たちのように神楽を続けていってほしいと願います。

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2023.11.28 |

2023.11.27 | Comments(0) | Trackback(0) | カテゴリ諸芸

喜多七福神舞@2023第6回三陸沿岸郷土芸能共演会

さて本日は、2023年11月12日に行なわれた第6回三陸沿岸郷土芸能共演会から喜多七福神舞です。

由来については当日パンフレットより

「喜多七福神舞は、民間信仰の神として、七人の福徳の神、大黒天・恵比寿・福禄寿・毘沙門天・寿老人・弁財天・布袋様に仮装し、祭礼には、五穀豊穣・大漁祈願をします。併せて家内繁盛・厄払いとして結婚披露宴、進水式・新宅祝い等めでたい席に福徳を祈る年中行事として行われています。その由来は大正初期から喜多の有志により伝承され、四年祭の御伊勢様(大神宮様)の祭典をはじめ黒崎神社例大祭に奉納されてきました。また近年は、祭りのみならず地域の郷土芸能として小中学生による地域活動も行われています。」
ということです。

七福神という祝福芸は全国あまたあるようだが、特にも宮城岩手の沿岸部にはたくさんあるようだ。
大船渡市だけでも次のようにある(比佐麻呂の七福神日記 より参照)

西舘七福神 岩手県大船渡市 熊野神社境内(不定期),碁石海岸観光祭り(5月)
碁石七福神 岩手県大船渡市 熊野神社境内(不定期),碁石海岸観光祭り(5月)
野形七福神舞 岩手県大船渡市 七福神と五十集屋の8人が舞う(1月)
平七福神舞 岩手県大船渡市 気仙郷土芸能祭り(11月)
根岬七福神舞 岩手県大船渡市 鶴樹神社祭礼(隔年1月)
門前七福神舞 岩手県大船渡市 八幡・宮崎神社祭礼(4年毎9月)
矢崎七福神舞 岩手県大船渡市 竹駒神社祭礼(6年毎、旧暦2月初午)
喜多七福神舞 岩手県大船渡市 黒崎神社祭礼(4年毎、旧暦9月)
長部湊七福神舞 岩手県大船渡市 月山・鹿島神社例祭(丑・未年8~9月)
根白七福神   岩手県大船渡市 吉浜大祭(4年毎、6月)

大黒天

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恵比寿

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福禄寿

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毘沙門天

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寿老人

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弁財天

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布袋様

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2023.11.27 |

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祭・・・それは祈り、畏れ、そして縋り付くばかりの信仰、神人共生の歓びの象徴。さて、明日のエネルギーの糧を求めに彷徨おう。

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